あーなんかイライラする……!
ムシャクシャする……!
別に理不尽なことをされたわけじゃないけれど、理由はわからないけれど、なぜかイライラすること……ありませんか?
「怒り」に支配されている時って、カッとなったと思ったら急に……
あーん、なんか涙でてくる
涙が出てきたりして、気分の起伏が激しくて、疲れますよね。
今回は、デンマークの心理療法士であるイルセ・サン氏の著書『心がつながるのが怖い~愛と自己防衛~』という本を参考に、自分なりに噛み砕いて、「怒り」のマネジメント方法と、それを自己成長へ繋げる方法について紹介していきます。
「怒り」という感情
さっそく結論になってしまいますが、「怒り」は、負の感情ととらえがちですが、実は、自己防衛のために発動する感情であると、イルセ・サン氏は言っています。
では、なぜ「怒り」が自己防衛なのでしょう?
それは「怒り」を感じることによって、その時受けている痛みから目をそらすことができるからです。
「怒り」で「心の痛み」から身を守る
例えば、コンプレックスを持っていて、人一倍劣等感を持っているAさん。
いつもカップルに対してこんな風に思っています。
あー、カップルムカつく。俺の視界から消えろ。
こういう人、現実世界でも割と見かけますよね?
ではなぜ、Aさんは、特に危害を加えてきた訳でもないカップルに対して、こんな怒りを抱き、イライラするのでしょうか?
それは、ひとことで言えば、カップルによって思い起こさせられる劣等感をかき消すためなのです。
別の言い方をすると、Aさんはカップルを見ることによって発生する、劣等感という「心の痛み」から自分を守るために、無意識に、戦略的に「怒り」を利用しているのです。
「怒り」に頼りすぎると・・・
当然ですが、「怒り」の感情に支配されるとイライラします。
そしてイライラしていると……
この先自分は、大丈夫なのだろうか……
こんなぐあいに、不安の感情も生まれてきます。
ではなぜ「怒り」を感じ、イライラしていると、不安になってくるのでしょうか?
それは、「怒り」によって隠されている真の感情に気がつけなくなるからです。
いったい自分が何に悩んでいるのか、何をして行けばいいのか分からない状況に陥ってしまうのです。
「怒り」による自己防衛戦略とは、いわば、自分で自分に目くらましをする戦略なのです。
あー、ムカつく。なんかムカつく。何なんだよ一体。
こんな風に、とにかく怒ることで、自身が本当に抱えている問題から目をそらすことができます。
自己防衛戦略としては、一応は功を奏しているように見えます。
しかし、こうした「怒り」を感じる癖がついてしまうと、次第に、向き合うべきコンプレックス・問題がなんだったのか、本当に分からなくなります。
すると、行く当てのない、漠然とした「怒り」だけが残ってしまいます。
先行きが見えない状況でただイライラしてしまう――だから「不安」という感情が発生するのです。
【対処法】「怒り」を定義しよう
「未知の恐怖」から「解決可能な課題」へ昇華しよう
ここまで、
- 「怒り」は真の感情から目をそらすための、表層的な感情である。
- 「怒り」に頼り続けると、ただただ漠然とした怒りと不安の感情にさいなまれる。
という話をしてきました。
それでは、その「怒り」と、それに伴うイライラ・不安から解放されるためには、どうすればよいのでしょうか?
結論!「怒り」を定義しましょう。
以下の問いに答えていく事で「怒り」を明確化していくことができます。
- あなたの「怒り」が隠している感情は何だと思いますか?
- その感情の原因は?
この2つの問いに答えていくことで、漠然と心に抱いていた「未知の恐怖」が、「未知」ではなくなり、「解決可能な課題」になります。
そして、その課題と向き合って、今自分が取るべき行動は何なのか、考えましょう。
具体例
以下の、とある女性を例に「怒り」を定義していきます。
最近の私は、とにかくイライラしていて、どうにも不安でした。
思い詰めて、涙が出てくることもありました。
でも落ち着いて、なぜ自分がイライラしているのか、考えてみました。
すると、そのイライラは、現職で仕事がうまくいっていないことに起因していることが分かってきました。
私は転職して4ヵ月目なのですが、思ったように仕事を進められません。
周囲から「いい加減そろそろできるようになれよ」という視線を感じる気がして、最近ますます焦っていました。
あと、私はフリーランスに憧れています。
「こんなんで、20代のうちに食えるフリーランスになれるのだろうか」という不安も感じます。
(○´ω`○)ゞ .。oO(これ過去の自分なんですけれどね……)
さて!
これらを整理して、「怒り」の定義をしてみると、こんなふうになります。
- 「怒り」が隠している感情は? → 今の自分に対する焦り。自信のなさ。
- その感情の原因は? → 仕事ができない。フリーランスになる下準備が全く何もできていない。
ここまで明確になると、おのずと取るべき解決策が見えてきますね。
- メモの取り方、その他仕事の進め方を工夫する。 → 仕事を少しでもできるようになる。
- 英語やライティング、WEBデザインの勉強をする。 →フリーランスに備える。
- 転職しちゃう。
- 会社を辞めて、フリーランスになっちゃう。
……いかがでしょうか?
こういう風に「怒り」を定義することで、
「怒り」が、「未知の恐怖」から「解決可能な課題」へと昇華され、最終的に、自己成長の道筋になったことが分かったかと思います。
ここまで「怒り」を定義出来たら、あとは行動あるのみです!
目の前のことを淡々とこなしているうちに、「怒り」なんてどこかへいってしまいますから。
まとめ
- 「怒り」とは自己防衛のために発動する感情である。
- 「怒り」は真の感情から目をそらすための、表層的な感情である。
- 「怒り」に頼り続けると、ただただ漠然とした怒りと不安の感情にさいなまれ、消耗する。
- 「怒り」が隠している感情をつきとめる。
- 隠された感情の原因をつきとめる。
- 今、自分が取れる行動を考え、実行する。