2021年12月中旬ごろに『CIMARRON(シマロン)』という古い西部劇を観ました。
たまたまBSでやっていて、やることも無かったので何となく観始めて、結局ラストまで観てしまいました。
なんとな~く観始めた映画ですが、人生について考えさせられる、すごく感動的な映画でしたので、今日はそれについて語っていきます。
あらすじ
このお話は、夫ヤンシーと妻セイブラ夫婦の人生を描いた大河ドラマです。
夫ヤンシーは、正義感が強くて行動力のある、「みんなの兄貴」みたいな感じの弁護士。
妻セイブラは、いいとこのお嬢さん出身の美人さん。
実家にいるときは、身の回りのことは全てお手伝いさんがやっていてくれていたような「ザ・お嬢様」だけど、肝っ玉は据わっている素敵な女性。
この2人が結婚した時代は、まだアメリカは開拓の真っ最中で、
Land Runと呼ばれる、早い者勝ちの土地取得レースが度々開催されていました。
で、次はオクラホマでLand Run があるということで、新天地での生活を夢見たヤンシー・セイブラ夫婦は、そのイベントへ参加するため、故郷を離れます。
しかし、結果は惨敗。
夫婦はいい土地を手に入れることに失敗し、痩せた土地に住むのを余儀なくされるのですが
そこで興した新聞社が軌道に乗りはじめ、子供も出来て、大変ながらもそれなりに楽しい生活を送っていました。
ところが夫ヤンシーは、家庭が落ち着き始めると、ソワソワして仕方がありません。
「別の場所でまたLand Runがあるぞ!」と聞くと妻子を置いて出てってしまい、5年間帰ってこないことがありましたし
凄くいい仕事が回ってきても、自分の信念にそぐわないと断ってしまうし……
妻セイブラは、それなりに豊かになって子供にも何不自由なく生活させられて、家族で穏やかな生活を送るという夢を持っていましたが
夫にそういう家庭を一緒に築くつもりがないのだと呆れてしまい、遂に別れを切り出します。
それから、ヤンシーはどこかへいってしまい、セイブラは女で一つで家庭・会社を支えます。
時は経ち
子育ても終え、かつての旦那と創業した会社を地元一の新聞社にまで成長させたセイブラは
息子や旧友、社員に新聞社の何周年かを祝われている真っ最中でした。
そこへ突然一本の電話が入り、かつての夫ヤンシーの訃報が入ります。
知らない間に、義勇兵として第一次世界大戦に従軍していたのです。
最後の手紙には「愛してごめん。」
家の暖炉で手紙を読んでいた彼女は、その瞬間、彼と過ごしたいろんな思い出が湧き出てきて
セイブラは、涙しながらも微笑みながら、ヤンシーとの思い出に浸るのでした。
ヒロインは夢敗れた成功者
この映画を観て思ったのは、夢破れても、人生それなりに幸せになれるんだなってこと。
セイブラは、大好きな旦那と一緒に、それなりに裕福になって、子供にも何不自由なく生活させられて、穏やかな生活を送る……という夢を持っていました。
そう!彼女の夢は、あくまでここにありました。
でも、旦那は自身の情熱に正直な人で、時々いなくなったり、世渡りが下手だったりして
最終的に、セイブラは自らの手で夢に終止符を打ちます。
でも、セイブラは別れを告げてもなお旦那のことは大好きで、多分いつか旦那がひょっこり帰ってくるのを期待していたのでしょう……
旦那と興した会社を、女社長として必死に経営し続けます。
セイブラは美人さんでしっかり者なので、途中、お金持ちの紳士から言い寄られることもありましたが、それも断れます。
そして、会社経営者として大成功します。
荒野にほったて小屋みたいな会社兼自宅を建てた当初からは想像もできないほどの豪邸に住み、会社ビルもものすごく立派になりました。
でも本来、敏腕経営者になることも豪邸に住むことも、彼女の夢ではありませんでした。
だって彼女の夢は、あくまで夫ヤンシーと息子と暖かい家庭を築くことでしたから。
ーーしかし、それも叶わなくなった。
ーーでも、あの人と作った新聞社は大切に育て続けよう。
そうしてがむしゃらに頑張った結果、「幸せな家庭」という本来の夢からはかけ離れてはいるものの、
経営者としての大成功を納め、世間的にもリスペクトされる立場になったのです。
夢敗れたって人生終わらない
「これ以上いたってしょうがない…」という、無駄な努力はやめていいと思います。
でも、本来の夢や目標を捨てたからといって、それで人生は終わりません。
次のステージで素敵な出会いがあるかもしれないし、
セイブラのように、夢の副産物として別の分野で成功を掴むかもしれません。
「好きを仕事に」とか最近よく聞くフレーズですが、別に特別好きな仕事じゃなくてもいい。
とりあえず精一杯生きていけば、なんか人生それなりに形になるものなのかな。
そんな風に思える、壮大な人生ドラマでした。
ではではまた~ノシ