私は2020年夏にWEBデザインを独学し始めて、同年9月下旬からクラウドワークスのコンペに応募し始めました。
そして2021年1月に未経験Webデザイナー就職するまでの間に、8つのコンペに参加し、計23種のデザインを提案してきました。
初めのうちは全然選ばれませんでしたが、少しづつ目の付け所がわかってきて、計2回デザインを採用されたことがあります。
(選ばれた時のコンペには、合計80種類以上のデザインが応募されていたので、その中から採用された時は本当に嬉しかったなぁ〜♪)
というわけで、今回はWEBデザインのコンペで選ばれるために、私が意識していたことを書いていきます。
コンペってどんな基準で選ばれているのか分からない。
提案しても提案しても選ばれない。自分って才能ないのかな…?
こんな風に悩んでいる方に、是非参考にして頂けたらなと思います。
デザインを通して何を達成したいのかを掴む
まずコンペの募集文に目を通します。ここで意識すべきことは2つ。
1つ目はサイズ。
例えば、楽天市場等EC用のサムネでしたら、サイズが決まっています。
どんなに良いデザインも、サイズが合わなければダメです。
だから(わざわざここで言うまでも無いですが)サイズの確認はマストです。
重要なのは2つ目です。
募集文にザっと目を通して、「クライアントは結局、デザインを通して何がしたいのか?」という事を掴みます。
「エレガントな感じで」「オトナっぽい」「宝さがし感のある」……こんな風に、募集文にはクライアントの希望するデザインイメージが記載されている事が多いですが、これは全無視でOKです。(理由は後で話します。)
「結局何がしたいのか?」というのは、例えば
- バナーを通してサイト流入数を増やしたい。
- サイト流入だけでなく、成約にまでつなげたい。
こんなやつです。目的です。
コンペの中には、流入先のホームページURLだけ提示して「この中の文言を適当に組み合わせてね」みたいな丸投げ案件もあるのですが、
「デザインを通して、結局何がしたいのか?」という事が分かっていれば、盛り込むべき要素も自ずと絞られてきます。
例えば……
例えば英会話教室のバナーコンペの場合。
コンペ募集文を見て、
今だけ入会費が無料なんだな。
このキャンペーンを広く知ってもらって、入会者数UPに繋げたいんだな。
というクライアントの最終目的が読み取れれば、
通常1万円の入会費が、今だけ無料!
こんな文言を盛り込むべきだという事に気が付きますよね。
このように「抑えておくべきメッセージ」を把握するのが大変重要になります。
だから、もし
ウチの英会話教室は、内装がモダンでオシャレなんです!
無料のお菓子もあって、アットホームな雰囲気なんです!
オリジナル教材を使っているんです!
教師が優秀なんです!
弊社にはこだわりが沢山あるので、これらの情報も全部載せてください!!
こんな風に「アレもコレも載せて欲しい!」というリクエストがあったとしても、まずは抑えるべきところを抑えたデザイン作りに励んで下さい。
「このデザインで、最終的にどうしたいのか?」
ここが一番重要なので、補足的な要素はスペースに余裕があるときに盛り込むようにしましょう。
デザインに関するリクエストは無視していい
でも、クライアントのリクエストを無視することに抵抗がある方もいるでしょう。
クライアントワークなんだから、クライアントの意見をデザインに落とし込まなきゃダメでしょう!
こんな風に、クライアントの意見を無下にできないという方もいると思います。
かつて私もそう思っていました。
でも、考えてみて下さい。
もしクライアントが思い通りのデザインを作りたいのであれば、取引しているデザイナーにそう発注すればいいだけの話です。
なぜわざわざ「コンペ」という形式を取っているのでしょうか?
思うに、コンペを開催しているクライアントは、以下のような状況にあるんです。
- 既存の取引先のデザインがマンネリ化している。
- クライアント自身、どうすれば良いのか分からない。
→ 現状では思い付けないような素敵な出会いが欲しい!
クライアント自身、正解が分からず迷子になっているから「コンペ」をするんです。
だからコンペでは、クライアントのハートさえ掴めれば、事前に提示されているデザイン指示を無視していたとしても、採用される確率は十分にあると言えるのです。
【経験談】リクエストガン無視作品が優勝した話
過去に参加したバナーコンペで「全体的に宝探し感のあるデザインにしてください」という課題がありました。
提案されている殆どのデザインに、【宝箱】とか【財宝】のような宝探し要素が盛り込まれていたのですが
採用されたのは、文言・モチーフ共に宝探し感ゼロのデザインだったということがあります。
又、とある美容整形のバナーコンペに参加した時の話なのですが、
案件に「フェイスリフトの広告用バナー」と書いてあったのに
採用されたデザインにはフェイスリフトの「フェ」の字もありませんでした。
クライアントが提示する条件に忠実に従おうがガン無視しようが、クライアントがビビッとくる提案をすれば勝ち――コンペってそういうものなんだなぁと、学びました。
ターゲット・コピー不明の場合はデザインを複数提案する
クライアントによっては、ペルソナやキャッチコピーが決まっていないという場合があります。
ホームページのURLだけぽーんと投げて「この中から適当に文言引っ張ってきてよ」みたいな募集文はよくあります。
こういう時は、募集文やホームページの雰囲気をもとに、ターゲットを2~3個洗い出し、数種類のデザインを提案すると、採用確率がグッと上がります。
例えば……
例えば株の自動売買ソフトのバナーコンペの場合。
【ステップ1】まずは募集文に目を通しましょう!
まずはクライアントが何のためのデザインが欲しいのかを把握します。今回は
株の自動売買ソフトの利用者を増やす
という目的のためにバナーコンペを開いている・・・という設定で話を進めていきます。
デザインを作るにあたって、重要なのがターゲット層を具体的にすることです。
株の自動売買ソフトが刺さりそうな人はどんな人だろう?
こんなふうに考えてみて、言語化してみましょう。
例えばこんな感じ↓
お金が欲しいし、投資にも興味があるけれど、自分で投資をするのは怖い人。もしくは時間に余裕がない人。
ここまで言語化すると、いくつかターゲット候補が見えてくるはずでず。
- 大学生
- 主婦
- 会社員
ターゲット層の洗い出しができたら、次に、そのターゲットがどんな雰囲気の人物かを想像していきます。
【ステップ2】遷移先のページに目を通しましょう!
次に、今回作成するバナーから遷移させるサイトを見てみて、全体的な雰囲気を確認します。
今回の遷移先ページは以下のような特徴だったと言うことにします。
- 原色の多いパキッとした配色。
- ギャル風の女性画像(例:鈴木奈々、明日香キララ のような雰囲気)が使われている。
そして、ここからどんなバナーデザインにしていくか、考えていきます。
遷移先ページがパキッとした配色なのであれば、バナーの配色もそれに合わせた方がいいね。
人物画像を配置するのであれば、乃木坂じゃなくて、恵比寿マスカッツにいそうな女の子を選んだ方がいいね。
デザインの雰囲気が決まったら、最後に、提案できそうなデザイン案を複数作っていきます。
【ステップ3】何パターンかデザインを作っていこう!
ここまでで、ターゲット層と目指すべきデザインの雰囲気を明確にすることができたので、あとはデザイン案を作っていくのみです。
例えばこんなバナー案↓
- ギャル風の20代前半の女性をメイン画像に据えて、「カンタンに稼げる」点を強調した文言を添える。
- ギャル風の主婦らしい女性をメイン画像に据えて、「家事をしながら稼げる」点を強調した文言を添える。
- ギャル風のOLをメイン画像に据えて、「カシコク稼げる」点を強調した文言を添える。
→遷移先ページに合わせて、パキッとした配色にする。
こんなふうに、人物画像 or 文言違いのデザインを何パターンか案出しして、実際にデザインに落とし込んでいきましょう。
と言うことで
事前に伝えられる情報の少ない案件は、こんな流れでターゲット・配色・文言を決めていき、数種類のデザインを提案するといいですよ!
そうすれば、提案数が多い分、選ばれる確率がUPするし、クライアント側にも「このデザイナーは引き出しが多いな」と期待の目を持ってもらえるかもしれません。
ではではまた〜ノシ