スパッと退職って難しい

転職します。初出勤日は再来月の1日です。
こんなふうに、お尻が明確にあるのならすんなりやめ易いのですが、
やりたいことが見つかりました。
副業が本職収入を上回りました。
こんなふうにお尻が明確に決まっていないと、すんなりやめるのは難しいです。
例え、就労規則に「退職するなら退職日から最低でも1月前には通告してね」って規定されていたとしても
特に人不足の会社に多いのですが、最終出社日を3ヵ月後・酷い所だと6カ月以上後とかに決められてしまいます。
私がかつて居た職場では、私の前に退職した人が最終出社日を迎えたのは、我々同僚に「退職します」と打ち明けてからから半年後の事でした。
しかも、「業務のキリが悪いからあと1日」と上司に言われ、本当に1日多く出社していきました。(うわぁ……)
志があって、「ヨシ!」と思って退職を決意するのに、辞めるのが半年後なんて、嫌ですよね。熱も覚めちゃいますよね。
ということで今回は、お尻が決まっている訳では無いけれど、退職の意志表明をして2カ月以内に会社を辞める方法を、私の経験に基づいて記していきます。
【結論】転職先が決まっているということにする

はい。これです。
「嘘をつくのは良くない!」とか言う方いるかと思いますが、次が決まっていない状況で正直な気持ちを話して1~2カ月後に辞められる会社って、現実問題かなり限られています。
辞めたいと思っている人が、正直に退職の意思を伝えて会社を辞められるのなら、退職代行ビジネスなんか成立しません。
だから私は、「転職先が決まっている」という体で退職を切り出すことを強くオススメするのです。
正直に話しても話さなくても、必ず引き止められる

ここで、退職を宣言した直後の一般的な上司の反応を話していきます。
一般的な上司の反応を知ることで、退職したいとカミングアウトするときに必ず乗り越えなければいけないポイントを知りましょう。
正直に話した場合
Q:「やりたいことが見つかったので退職します」
→上司はどんなリアクションを取るのでしょうか?
A:まず引き止められます。
例えば、こんな感じです。
やりたいことがあります。それに没頭するために、退職させて頂きます。
それはどんなこと?
プログラミングです。
まだ勉強中でしょ?
はい。まだ稼げるレベルではありませんが、だからこそ、もっとプログラミングに費やす時間が欲しいのです。
仕事を続けながらでも、勉強はできるよね?
それに、成功するかどうか分からない中で無職になるのは、やめといた方がいいよ。
まあ、君にそういった希望があるのは受け止めておく。
また後で相談しようよ。
こんな風に言いくるめられてしまうでしょう。
そうやって、退職日が先へ先へと伸ばされていき、最悪、退職するタイミングを失ってしまいます。
さらにクソなのが、この話をした上司が、別の社員に「○○さん、プログラミング勉強するために会社やめたいんだって」と話しちゃうケースです。
※先ほど紹介したかつて私が居た会社でも、上司が「〇〇さん(退職する人)、WEBデザイナー目指すらしいよw」って話を広めていました。
熱を持っているうちに辞められないどころか、頑張る自分を馬鹿にされる可能性も出てくる
――これが、正直に話す時に覚悟しなければならない弊害です。リスクでかすぎw
転職先がある体で話した場合
Q:「転職することになったので退職します」
→上司はどんなリアクションを取るのでしょうか?
A:やっぱり引き止められます。
先に退職した先輩を見て
「この職場、転職先がないのを正直に話したらしばらく退職できない!しかも熱意をネタにされる!」
と学んだ私は、転職先がある体で退職を切り出しました。こんな感じ。
転職先が決まり、再来月1日に初出勤なので、来月末までに退職させて頂きます。
それは本当なの?
はい。
次の会社では、どんなことするの?
WEBマーケティングに携わります。
うちにもマーケティング部署あるよ?
今なら人事に相談して、異動することもできるよ?
というふうに、留まるよう説得されます(ました)。
因みに、その前にいた会社でも(その時は本当に転職先が決まっていましたが)同じように上司に引き止められました。
例え、お尻ありきであったとしても、「退職したい」と告げるとこのように止められてしまうのです。
でも、正直に話すケースのように言いくるめられることはありませんし、又、頑張っていることを馬鹿にされる危険性もありません。
退職意思を伝えた時の上司の反応2選
さて、ここまでの対話例を見ると、会社を辞める際には、必ず以下2点を覚悟しなければならないという事が分かったと思います。
- 引き止められる。
- 次の環境でどんなことをするのか聞かれる。
会社を辞めるためには、①②を違和感なく振り切っていかなければなりません。
もし転職先が決まっていて「この日が初出勤日です」というお尻が明確にあるのなら、そのことをしっかり話していけば上記①②は振り切れます。
でも、お尻が明確にない場合、さっき『正直に話した場合』で話したように①②を振り切ることが難しくなります。
だから私は、この先が決まっていないのならば、「転職先が決まっている体」でいる事をオススメします。
「転職先が決まっている体」の設定方法

転職先が決まっている体でいるためには、綿密な設定作りが必要不可欠となります。
「……の体」というのは、言い換えれば「嘘」です。さらに言い換えれば、小説や映画と同じ「作り話」です。
映画とか小説って、登場人物や場所が綿密に設定されていないと、物語の中に多くの矛盾を生み、観客に違和感を感じさせますよね?
転職の嘘も同じです。細かな設定を具体的に決めていないと、上司の質問攻めに耐えられず、「お前、うそついたなぁ!」と後々窮地に立たされてしまいます。
「転職が決まっている体」でいるためには、事前に設定を練っておく必要があるのです。
という訳で、ここからはバレにくい設定作りをレクチャーしたいと思います。
趣味や勉強している事をヒントに、本当にある会社を「転職先」ってことにする
「この先は特に決まっていない」と言う方にお尋ねします。
趣味や特技、又は、今勉強している事はありますか?
ゲームとか、絵を描くとか、外国語とか、ブログとか、プログラミングとか、お花とか……どんな事でもいいです。
挙げられましたか? では次です。
今挙げた趣味・特技・勉強中の事を生業としている会社の求人を探してみて下さい。
例えばお花なら、「花 求人」で検索すれば、花屋さんとか、お花のディスプレイ専門の会社とか、色々出てきます。
お花のような比較的特殊な趣味であったとしても、それをビジネスとしてやっている会社って、世の中に沢山あります。
こうして見つけた会社を、次の転職先という設定にしていきます。
上司が引き止めるのを断念しそうなストーリーを作る
具体的な転職先の設定が決まったところで、ストーリーを作りましょう。
このストーリーの目的は、上司に「もう私を引き止める事は出来ませんよ」と悟らせる事です。
「かつての恋人を振る」イメージ
未練タラタラの元恋人に自分を諦めてもらうみたいな感じで、ストーリーを作っていきます。
例えば、未練タラタラの元恋人に諦めて貰いたいとき、一番効く言葉は何だと思いますか?
それは、
- 私は今【新天地】にいるという事
- 【今の幸福度】がとても高いという事
- この環境に対する【私の意志】がとても固いという事
……これら3つの要素を含んだ言葉です。
具体的には、
今は新たな人と、とても幸せな日々を過ごしており、私はこの人に一生を尽くしていきたいと心から思っております。
といった言葉でしょうか。※元恋人がDV気質じゃない場合の話です。
- 【新天地】=新たな恋人と過ごす環境
- 【今の幸福度】=とても幸せである
- 【私の意志】=この人に一生を尽くしていきたい
これら3点を加える事で、元恋人に「既に完成されたカップル像」を見せつける事ができ、「もう自分が入る余地はないのか……」と諦めを促す事が出来るのです。
例文
前置きが長くなりましたが、これを退職宣言するシチュエーションに置き換え、軽く肉付けした例文を作ってみますね。
〈例〉 転職先:花屋さん
前々から趣味でお花を活けていたのですが、〇月上旬、偶然フラワーコーディネーターの求人を見つけました。
私は本当にお花が好きで、もし好きなお花を仕事に出来たならどんなに素敵だろうか……と思い、思い切ってその求人に応募してみました。
フラワーコーディネーター未経験でしたが、過去の作品の写真を見て頂いて、お褒めの言葉も頂き、無事内定を頂くことが出来ました。
本当に、毎日好きな事に囲まれ、好きな事で稼いでいけるんだと思い、内定の連絡を受け、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
もちろんお仕事なので、大変な事はあるかと思いますが、私はここで新たなキャリアをスタートさせるんだと、強く決意しております。
なので、大変ご迷惑をお掛けする事になりますが、△月いっぱいで、退職させて頂きます。
こんな感じでしょうかね。
入れるべき必須3要素も、しっかり入れております。
- 【新天地】=大好きなお花に囲まれた職場
- 【今の幸福度】=嬉しい気持ちでいっぱい
- 【私の意志】=ここで新たなキャリアをスタートさせるんだ
私が退職を願い出た時も上記セリフとほとんど一緒です。
私の前に辞めた先輩は引き止められ、退職宣言から6カ月間ほど居続けましたが、私は希望通り2ヶ月後に辞められる事になりました。
言い方って重要です!
質問攻めの準備をする
ここまでセリフまで作ることが出来れば逃げ切り……と、思うじゃないですか。
いえいえ、ここからが本番です!
ここまでなら、就活に例えたら自己PRと志望理由を述べ終わったくらいです。
この後は色んな方向から質問をされ、それに一つ一つ答えていかなければなりません。
こうした質問攻めを乗り切る上で重要なのが
- なぜ今の会社じゃダメなのか?(=転職しなくちゃいけない理由)
- 転職先の会社に関する情報
を明確に話せるようにしておくという事です。
なぜなら、上司から投げかけられる質問の数々は、必ず【自分の事】か【転職先の会社の事】のどちらかだからです。
※【自分の事(=なぜ今の会社じゃダメなのか?)】についてはさっき説明しているので、割愛します。
【転職先の会社】に関する情報ですが、さっき決めた「転職先」企業について、以下について必ず調べておいて、聞かれた時の回答を用意しておいてください。
- 入社日・初出勤日は?(何度も聞かれた)
- 何をやっている会社?どんなサービスを提供しているの?
- 予定している職種は?
- 正社員?非正規社員?
- 選考はどんなんだった?
- 会社の規模は?職場は何人くらいいるの?
- どこで働くの?
これらは、私が実際に聞かれた質問です。
まじでズカズカ聞かれました。((;^_^A)
「職場に何人いるのか」についてはネットでは分からなかったので、「今はまだ分かりません」と言って逃げましたけど、それ以外の情報は全てネットで仕入れることができました。
勇気ある人ならば「それって言わなくちゃいけない事ですか?」とか、「私個人の事なので、話したくありません。」とか言えると思うのですが、そうした勇者じゃない限り、上記質問に答えるようにした方がいいでしょう。
今はコロナで難しいですが、送別会とか開かれたら、お酒の力できっと質問の嵐でしょうからね。(あ、ZOOMで送別会できちゃうか……。(;^_^A)
【注意!】「転職先の会社名を教えろ」「内定通知書をみせろ」と聞かれたら
【結論】拒否しましょう

その上司、フツーにやばいです。汗
「プライバシーに関わる事なので」と拒否しましょう。
もし、転職が事実であったとしても、教えたら何されるか分かりませんからね。
転職が事実であろうがなかろうが、こうした要求にはNO一択です。
※↓教えて!gooでも同様の質問がありました。
「転職時に次の会社の内定通知書を見せなければいけないのでしょうか?」
参考:「教えて!goo」
拒否しても脅してくる場合
でも、拒否してもなおネチネチ聞かれ、
なんで教えられないんだよ?
まさか嘘ついてるの?
次の会社名を教えてくれない限り、それか、内定通知書をみせない限り、退職は受理できないからね。
こんな風に脅してくるようであれば、労基署か退職代行に頼りましょう。
労働基準監督署か「労働条件相談ほっとライン」に頼る
労基署(労働基準監督署)では、相談員があなたの話を聞いた上で、最適な退職のしかたを教えてくれるみたいです。
平日に労基署に行く/電話する余裕がある方は、まず労基署に相談してみましょう。
参考:「ガチャプライム」様
また、土日祝日しか時間が取れないという方は、厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」を利用してみるのも良いですね。
厚生労働省 「労働条件相談ほっとライン」に相談してみよう!
退職代行に頼る
退職代行は、頼みさえすれば即日で辞められるというサービスです。
労基署に行ってもダメ、もしくは、そもそも労基署に行く気力もないという場合に頼ってみるのもいいですね。
まとめ
- 自分の【趣味・特技・勉強中の事】を生業としている会社の求人を探す:そこを「転職先」という設定にする。
- 上司に「もう私を引き止める事は出来ませんよ」と悟らせる:【新天地】【今の幸福度】【私の意志】の3つを盛り込んで、退職する旨を伝える。
- 質問攻めの準備をする:「転職先企業」のHPで事前にリサーチし、以下質問の答えを事前に用意する。
- 入社日・初出勤日
- 転職先企業のサービス内容
- 予定している職種
- 正社員 or 非正規社員
- 選考はどんなんだったか
- 会社の規模・職場で働いている人の人数
- 勤務場所(「新宿区」みたいにざっくりでOK)